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Vol.2連結決算プロジェクト

突然の経営陣向け報告資料の作成要請に
スキルを活かして応えた仕事をご紹介します。

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世界中でビッグビジネスを展開する総合商社の三井物産。MFM連結決算業務部では昨年から三井物産グループの連結決算主計業務を三井物産経理部とともに担当している。対象となる企業は世界中に500社以上に及び、業種も資源、エネルギー、インフラ、化学品、食品、医療などからファッション、ITなど様々な領域が網羅されている。連結決算ではグループ各社の決算内容をとりまとめて連結決算書を作成する。それに加えて、事業本部や勘定科目ごとに分析を行い、経営会議用の資料や外部への開示資料などに仕上げていく。連結決算がまとまってから、1週間程度かけて集中的にこなしていく。後続の部署の作業もあり、一つひとつの工程をいつまで終わらせるのか、デッドラインが細かく設定されていて、モノによっては時間まで決められている。そうしたタイトなスケジュールの中、ある日、当時、連結決算業務部の副部長だったスズキのもとに朝一番で連絡が入った。


「今日、午後なるべく早い時間までに、コロナ禍が経費にどのような影響を与えているのかを知りたい」という三井物産経理部からの依頼だった。経営陣の関心が高まっていると。綿密にスケジュールを組んで連結決算を進める中のイレギュラーなタイミングでの依頼だったが、MFM連結決算業務部にとって経営陣からの要請に迅速に応えることは、最優先のミッションの一つだ。コロナ禍が経済にも大きな影響を与えつつあるなか、現況を把握するための重要なインプットとなる。残念ながら、終日スズキは会議が立て込んでいて対応が難しかった。そこで経費を担当する実務リーダー、モトムラが数字を取りまとめることになった。「通常であれば決算が締まってから分析実施のはずですが、幸い他のタスクを前倒しで完了させていたために、この日は仕事量の調整が可能でした。急きょスケジュールを組み替えて、急ぎの依頼に取り掛かりることができました」とモトムラは振り返る。



経費の分析といっても、前年との単純な比較にとどまらず、年度計画や、期末までの予測値まで含めた多角的な観点からの分析が求められた。しかも、事業本部の計上や本社調整額など、連結決算の数字の流れを十分に理解して分析しなければ、有意な結果が得られない点で難易度が高いものだった。幸いモトムラには、前年にMFM連結決算業務部が始動したタイミングから、経費の取りまとめを行ってきたために知見があった。詳細な分析を行うには時間的な余裕はない。しかし、速報性を優先してあまりにざっくりとした分析をしたのでは内容不足となってしまう。どこまで詳しい分析が必要なのか。その要求水準を把握するために、モトムラは依頼元である三井物産経理部とコンタクトをとり、依頼内容の意図を正確に汲み取った上で分析を進めていった。


数字の整合性を把握するのに、手間取るところもあった。「数値の流れを自分がすっきり理解できなければ、納得の行く分析はできません。そこで、三井物産経理部と何度か確認をとりながら、最終的な着地点を見つけました」とモトムラは言う。また、MFM連結決算業務部内で知見をもった他の社員からも意見を聞きながら解決し、無事に刻限まで分析をまとめることができた。「こうした問題が突発した時に、モトムラのように知見をもって自ら考えながら、自律的に動ける問題解決型の社員を育てたい」とスズキは言う。単に数字を追うだけではなく、どうすれば最適な業務を実現できるのか、常に考えることがこの仕事では求められる。急な対応を可能にしたのは、前倒しを意識した業務の組み立てができていたからであって、偶然ではない。依頼に応えたモトムラも仕事を通じて達成感を得ることができた。「自分たちの仕事が経営判断を支え、株主をはじめさまざまなステイクホルダーも気にかけていることを、肌で実感するようになりました。さらには連結決算を担当するようになって、やりとりが世界中に広がりました。とても新鮮です。今後も仕事を通じてMFMという会社の価値を向上させていきたいと思います」。

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